そろばん教室 生徒募集ポスターデザイン制作
制作概要
案件名
そろばん教室 生徒募集ポスターデザイン制作(コンペ案件)
制作期間
2026年8月
制作ツール
Adobe Illustrator
Adobe Photoshop(画像加工・切り抜き)
担当範囲
- ビジュアルコンセプト設計
- 情報設計・レイアウト
- ポスターデザイン
- タイポグラフィ調整
- 写真加工・合成
- アイコン・装飾制作
- 提案コンセプト文章作成
- 印刷を想定したデータ設計
プロジェクト概要
そろばん教室への入会促進を目的とした、生徒募集ポスターのデザインコンペに参加しました。
ターゲットは、そろばんを習う子どもだけではなく、習い事を検討する保護者です。
「子ども自身が楽しそう・やってみたいと感じること」と同時に、保護者にも「子どもの成長につながる習い事として通わせてみたい」と感じてもらえるデザインが求められていました。
クライアントから提示された重要なキーワードは、
「処理能力向上」
「脳内革命」
の2つです。
また、そろばんは計算力だけでなく、「目で数字を見る」「手を動かす」「頭の中でイメージする」といった複数の処理を短時間で繰り返すことで、情報を処理する力を鍛えるという考え方が提示されていました。
デザイン上の課題
今回もっとも難しかったのは、「脳内革命」という抽象的なテーマを、保護者や子どもに伝わるビジュアルへどう変換するかという点でした。
単純に脳やデジタル回路を使った未来的な表現にすると、「脳トレ」や能力開発教材のような硬い印象になってしまいます。
一方で、そろばんの伝統的なイメージを強く出しすぎると、「昔ながらの習い事」という印象に留まり、クライアントが伝えたい“AI時代にも活きる能力”とのつながりが弱くなります。
そこで、
伝統的なそろばん × 子どもの未来に必要な能力
という2つの要素を両立させることをデザインの軸としました。
コンセプト
「そろばんから、子どもの可能性が花開く」
「脳内革命」を、脳が機械的に進化するイメージではなく、
そろばん学習を通して、子どもの中にある力や可能性が芽吹き、花開いていくこと
として捉えました。
ポスター中央には子どもの頭部をイメージしたシルエットを配置し、その中にそろばんと4色の花を構成しています。
そろばんを起点として花が伸びていくことで、
「そろばんを学ぶ → 複数の能力を使う → 処理能力の向上へつながる」
という流れを視覚的に表現しました。
4つの力を視覚化
クライアントから提示された説明を整理し、ポスター内では以下の4つの要素として表現しました。
視覚処理
珠を正確に捉え、情報をキャッチする力。
赤系のカラーと目のアイコンを使用し、「見る」という行動を直感的に伝えています。
手指運動
手を動かしながらそろばんを操作する力。
青系のカラーと手のアイコンによって、視覚情報と身体の動きが連動することを表現しました。
イメージ思考
頭の中でそろばんをイメージしながら計算する力。
黄色・オレンジ系のカラーを使用し、思考やひらめきを感じられる要素として構成しています。
統合思考力
見る・動かす・考えるといった複数の処理を同時に働かせる力。
成長を連想させるグリーンを使用し、4つの要素の中でも「統合」や「未来への成長」を象徴する役割を持たせました。
「処理能力向上」を最も強いメッセージに
依頼で必須とされていた「処理能力向上」は、ポスター上部に大きく配置しました。
「楽しみながら、未来の」というコピーと組み合わせることで、単なる能力訓練としてではなく、
楽しみながら学ぶことが、将来につながっていく
という前向きな印象を持たせています。
また、「処理能力」の部分にピンクを使用し、「向上へ」をブラックで締めることで、明るさを保ちながらも重要なメッセージが読み取れるようジャンプ率を設計しました。
子どもと保護者、両方に届くトーン
全体は淡いピンクと水彩調のテクスチャを中心に構成しています。
目的は単にかわいらしく見せることではなく、子どもや保護者に対して、
- 親しみやすさ
- 安心感
- 楽しさ
- 成長への期待
を感じてもらうことです。
一方で、4つの能力には赤・青・黄・緑を使い、子どもにも目に留まりやすいカラフルさを加えました。
柔らかな背景と明るいアクセントカラーを組み合わせることで、教育的な内容を伝えながらも堅くなりすぎないデザインを目指しています。
写真で「実際に学ぶ姿」を伝える
メインビジュアルには、実際にそろばんへ集中して取り組む子どもの写真を使用しました。
能力や教育効果だけを図解するのではなく、子どもの姿を大きく見せることで、保護者が
「自分の子どもがそろばんに取り組んでいる姿」
をイメージしやすい構成としています。
また、楽しそうに遊んでいる写真ではなく、真剣にそろばんへ向き合っている写真を選ぶことで、「集中して学ぶ習い事」としての価値も伝えています。
情報設計
ポスターを見る順番は、
キャッチコピー
↓
「処理能力向上」
↓
「脳内革命」・4つの力
↓
そろばんと子どものビジュアル
↓
AI時代に活きる力という補足メッセージ
↓
教室への誘導・QRコード
となるよう設計しました。
教育内容をすべて同じ強さで見せるのではなく、最初に興味を引き、その後に「なぜそろばんが良いのか」を理解してもらい、最後に教室への行動につなげる情報階層を意識しています。
制作を通して
今回の制作では、クライアントから提示された「脳内革命」という抽象的なテーマを、そのまま装飾として使用するのではなく、
「そろばんによって子どもの力が花開く」
という具体的なビジュアルコンセプトへ変換しました。
また、そろばんという伝統的な学習を「昔ながらの習い事」として見せるのではなく、AIが普及するこれからの時代にもつながる学びとして再構成したことも、今回特に意識したポイントです。
見た目を整えるだけではなく、
誰に、何を伝え、どのような感情につなげるか
を考えながらデザインを組み立てた制作となりました。
Kuraya Shohei
