デザインコンペでクリアファイル案が採用!制作で意識したことと学んだこと
先日参加したデザインコンペで、制作した企業向けA4クリアファイルのデザインが採用されました。
これまでロゴやチラシ、パッケージなどさまざまなコンペ制作に取り組んできましたが、実際に自分のデザインが選ばれたことは大きな自信につながりました。
今回は権利関係の都合により完成作品そのものを掲載することはできませんが、この記事では制作の中で意識したことや、採用を通して感じたことを振り返ってみたいと思います。
今回制作したもの
今回の案件は、企業が採用活動や会社説明会、地域イベントなどで使用するA4クリアファイルの表面・裏面デザインでした。
大きなテーマは、
「キャラクターを活用した、親しみやすく長く使えるデザイン」
です。
企業がスポンサーとなっているプロ野球チームのキャラクター素材を使用しながら、若い求職者にも親しみを感じてもらえるデザインが求められていました。
一方で、単なるキャラクターグッズではありません。
採用活動で使用するため、
- 企業としての信頼感
- 会社の事業内容
- 親しみやすさ
- スポーツらしい活気
を同時に表現する必要がありました。
ここが今回のデザインで最も難しく、同時に面白かったポイントです。
最初に行ったのは「デザイン」ではなく情報整理
今回改めて感じたのは、いきなりIllustratorを開かないことの大切さです。
制作前にまず、
- クライアント企業について調べる
- 依頼文を細かく読み込む
- 使用できる素材を確認する
- ブランドガイドラインを確認する
- 表面と裏面それぞれの役割を整理する
ところから始めました。
特に今回の依頼では、クライアントからかなり具体的なイメージが提示されていました。
表面は**「楽しくキャッチーに」**。
裏面は**「会社紹介・事業紹介寄りに」**。
この役割を明確に分けたことが、最終的なデザインをまとめるうえで大きかったと思います。
キャラクターの動きを「仕事」に置き換える
今回の特徴的な要件として、キャラクターが行う野球の動作を、企業の仕事や価値観になぞらえるというものがありました。
例えば、
- バットを振る → 営業・挑戦
- ボールを投げる → 提案・発信
- ボールを守る → 品質・信頼
- 応援する → 地域・連携
というように整理しました。
単にキャラクターを並べるのではなく、
「なぜこのキャラクターがここにいるのか」
という意味を持たせることを意識しました。
デザインとして見たときには楽しさがありながら、よく見ると企業の仕事内容にもつながっている。
そんな構成を目指しました。
配色は「派手さ」より長く使えることを優先
制作途中では、キャラクターごとに異なるカラーを使う案も検討しました。
しかし実際に並べてみると、スポーツイベントやキャンペーンのような印象が強くなり、今回求められていた
「長期利用しやすい企業ツール」
という方向性から少し離れているように感じました。
そこで最終的には、
白・薄いグレーをベースに、企業ロゴのグリーンをアクセントとして使用
する方向へ変更しました。
色数を抑えたことで、
- キャラクターが目立つ
- 企業としての統一感が出る
- 明るく爽やかな印象になる
- 数年後でも古く見えにくい
というメリットが生まれました。
今回の制作では、色を増やすことより、減らすことで完成度が上がることを改めて実感しました。
裏面では「正しい情報」を伝えることを優先
裏面は会社紹介として使用するため、見た目だけでなく情報の正確性も重要でした。
企業サイトを改めて確認し、事業内容を
- 鉄鋼販売
- 機械加工
- 機械販売
という3つの柱に整理。
それぞれに対応する写真と説明文を配置しました。
制作途中では事業内容をより多く掲載する案もありましたが、情報を調べ直す中で、公式に打ち出している3事業へ絞ることにしました。
結果として情報量も整理され、裏面としてかなり読みやすくなりました。
デザインでは「それっぽく見えること」以上に、
掲載する情報が本当に正しいのか確認すること
も実務では重要だと感じました。
細かい調整を何度も繰り返した
今回の制作では、大きなレイアウトを作ったあとも細かな調整を何度も行いました。
例えば、
- キャラクターと説明文の距離
- キャッチコピーの強弱
- 見出し帯の幅
- ストライプ装飾の本数
- 背景写真の濃度
- ロゴ同士のバランス
- コピーの文字数
- 表裏の統一感
などです。
一つひとつは数mm、数%程度の変更です。
しかし、こうした小さな調整を積み重ねることで、最初の案から完成形までの印象はかなり変わりました。
今回特に感じたのは、
「アイデアを出すこと」と「完成度を高めること」は別の作業
だということです。
最初から完成形が出てくるわけではなく、違和感を一つずつ見つけて修正していくことが、デザイン制作では重要なのだと思います。
そして、コンペ採用の連絡
制作・提出後、今回のクリアファイルデザインが採用されたという連絡をいただきました。
もちろん素直に嬉しかったです。
ただ、それ以上に嬉しかったのは、
「自分のデザインでも、実際のクライアントに選んでもらえる」
と実感できたことでした。
デザインを勉強していると、
「このレベルで仕事になるのか」
「自分のデザインは通用するのか」
と考えてしまうことがあります。
自分自身もそうでした。
今回の採用によって、すべての不安がなくなったわけではありません。
それでも、
クライアントの要件を理解し、考えて作ったデザインが実際に選ばれた。
この経験は、今後デザインの仕事を続けていくうえで大きな自信になりました。
今回の制作から学んだこと
振り返ってみると、今回特に大切だったのは次の5つでした。
- 依頼文をしっかり読み込む
- クライアント企業について調べる
- デザインする前に情報を整理する
- 「なぜこのデザインなのか」を説明できるようにする
- 最初の案で終わらせず、何度もブラッシュアップする
特別なテクニックというより、基本的なことばかりです。
でも、その基本を丁寧に積み重ねたことが、今回の採用につながったのではないかと思っています。
まとめ|「自分のデザインが通用する」という小さな自信
今回は、企業向けクリアファイルのデザインコンペで採用いただいた制作について振り返りました。
残念ながら権利関係の都合で完成デザインを掲載することはできません。
それでも、この制作を通して得られたものは大きかったです。
何より、
「自分のデザインも、実際の仕事として通用する可能性がある」
と実感できたこと。
まだまだ改善したい部分も、勉強したいこともたくさんあります。
これからも一つひとつの制作を大切にしながら、実務で求められるデザイン力を身につけていきたいと思います。
Kuraya Shohei